教科書紹介[2冊の共通点]

「教科書紹介」の最後の記事です。「もっと知りたい!」という方は、てらこやアムステルダムまでお問い合わせくださいませ。
terakoya.amsterdam@gmail.com
〜お知らせ〜
現在お問い合わせが殺到しております。
こちらの方ではできるだけ迅速に、順次ご返答させて頂いております。
またこちらの教科書はなくなり次第、また製本作業に入ります。
この作業には少しだけ時間を要しますのでご検討されて頂いている方は
お早めにお申し込みくださいませ。

教科書モニターの申し込みは終了させて頂きました。

沢山のお問い合わせありがとうございました。

 

最終回は、て組(4歳クラス)とら組(5,6歳クラス)の2冊の教科書に共通している特徴についてです。

(1)明確な言語目標

それぞれの言語目標を、CAN-DOリストで示しました。
これにより、その課で重要なことは何なのか、何ができるようになるか
をはっきり知ることができます。

(2)ことば&絵リスト

本文部分とは別に、ことば&絵リストがついています。
(て組は20ページ、ら組は28ページ)

日本国内の幼児が習得するべきと言われている語彙や表現の中から、特に海外のマルチリンガルの子どもが覚えにくいもの、そして、よく使われるものを選んであります。名詞だけではなく、形容詞、動詞、コロケーション(語の組み合わせ)、いろいろあります。

この部分のイラストはなんと、プロの版画家として活躍している方にご協力いただきました。わかりやすく、ユーモラスで楽しい絵ばかりです。

海外のマルチリンガルの子どもたちにとって、語彙習得は大きな課題のひとつです。その部分を徹底して勉強できるよう、このページを作りました。(下は、「ごはんをつくる」はら組、「きもち」はて組のことば&絵リスト例です。)

スクリーンショット 2014-08-20 7.56.28 スクリーンショット 2014-08-20 7.58.07

 

(3)海外のマルチリンガルの子どもたちの「苦手」をカバー

長い音、小さい「やゆよ」「つ」 の表記、「を」と「お」、「は」と「わ」などは、日本国内の子どもも重点的に勉強しなければならないものです。てらこやの教科書には、もちろん、この部分も入っています。(右下のページは、て組教科書の例です)

それに加えて、海外のマルチリンガルの子どもたちが「苦手」とする部分も、たくさん入れました。

例えば、ら組教科書の「味」のページをご覧下さい。(左下)オランダ語や英語など、「辛い」も「熱い」も同じ語で表現される場合、(“heet” “hot”)、マルチリンガルの子どもたちが混乱してしまうことがあります。もう一つの言語にひっぱられてしまうのです。他にも、「サッカーで遊ぶ」「おもしろいたのしかった」など、海外の子どもに「よくある間違い」を克服できるように工夫しました。

また、コロケーション(語の組み合わせ)、擬音語•擬態語などにも力を入れました。

ら組_味

て組_長音

 

 

 

 

 

 

 

(4)活動例や歌の紹介

教室でもご家庭でも楽しめる、「活動例」もたくさん入れました。教科書内の「スマイルマーク」が目印です。例えば、ら組の「味」のページには「うごきあてゲーム」、て組の「数」のページには、「じぶんのもの、せんせいのものをかぞえてみよう」があります。

どれも、小さな活動ですが、教科書から少し離れるだけでも、勉強に変化がでて、ぐっと面白くなります。

また、トピックやテーマに関連した歌(タイトルのみ)も紹介し、歌を効果的に日本語学習に使うためのヒントにもなります。(これは、「音符マーク」にしました。)

(5)共通のトピック

1週間に一度の授業の場合、1ヶ月に1つのトピックについて勉強するようにできています。トピックは、て組とら組、共通です。扱う語彙•表現のレベル学習する文字(て組はひらがな、ら組はカタカナ)、話題や質問の難易度などが異なります。

なぜこのような構成にしたかと言いますと、ひとつは、選んだテーマがすべて子どもたちにとって、身近だからです。身近だからこそ、「話したい」という意欲も高まりますし、てらこやの外で実際に使う機会も多いはずです。もうひとつは、自然に復習できるからです。

海外在住のマルチリンガルのお子さんに多いのは、「言語喪失」です。3歳、4歳の時は家庭で過ごす時間が多く、日本語をたくさん話せていたのに、現地の幼稚園や小学校に入ったとたんに、そのことばを忘れてしまうという現象です。

大人であれば、頭の中で、新しい語を母語に翻訳し、別に保存することができます。しかし、小さい子どもの場合、それは「上書き保存」されてしまうことが多いのです。もちろん、忘れてしまっても、また新しく覚えればいいだけのことです。(ですので、このような場合も「どうしてうちの子だけ•••」と落ち込まれないでください。)しかし、忘れる前に復習できれば、それに越したことはありません。そのような理由で、て組とら組は共通のテーマとし、自然に前の年に勉強したことを復習しながら、一歩先へ進める内容としました。

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