焦らない、比べない、でも続けること

もっと厳しくして、日本語を集中して勉強させるべきか。」
「これ以上日本語の負担を増やすのは、親のエゴではないのか。」

2つの考えの間で、しんどいお気持ちを抱えられたことは
ありませんか。

オランダのように、日本語学習が
現地校の正規カリキュラムの外に置かれた国で
生活していて、日本に「帰国」する予定がない場合、
日本語の勉強が最優先にならないのは、
当然のことです。

罪悪感をお持ちになる必要は、全くありません。

大切なのは「焦らない、比べない、でも続ける」ことです。

★★★

教師としての立場ではなく、研究者として正直に申し上げれば
海外で成長する子どもにとって、
もともと日本語は必須ではないのです。

日本語を勉強しないことが、
子どもの将来に直接的に不利益になることも、
アイデンティティの崩壊につながることもありません。

もちろん、ことばとアイデンティティには
深い関わりがあります。

しかし、日本語を全く話せない場合でも、日本国籍がなくても、
日本につながりのあることを周囲と本人が受け止めれば、
「日本人」であることに誇りをもつことができます。

日本語を全く話せなくても、幸せに暮らしている
「元•海外で成長した子どもたち」を私は何人も知っています。

むしろ、「日本人の血が流れているのに、日本語が話せないなんて」
眉をひそめる考え方のほうに、
問題があるんじゃないかと私は思います。

いまや、ひとつの国•民族=ひとつの言語の時代ではありません。

ハーフも、クオーターも、皆さんの周囲にはたくさんいると思います。
親のことばを、どちらもバランス良く話せる人、
祖父母のことばを、すべて話せる人がどれだけいるでしょうか。

さらに言えば、先祖をずっとずっとたどっていけば、
日本人の多くは、中国、朝鮮、東南アジア等につながりがあるでしょう。
しかし、それだけを理由に、中国語や朝鮮語や東南アジア語を
本気で勉強する人がいるでしょうか。

「血」を根拠に言語を学び始めれば、きりがありません

★★★

日本語は必須ではありません。

しかし、より
子どもたちの視野を広くし、
より柔軟な思考と、より豊かな表現力を
育てる
ために
とても有益であることも事実です。

マルチリンガルの子どもたちは、
創作力、言語比較能力、異文化理解能力にすぐれています。

これからの社会を生き抜くために、武器になる力です。

★★★

先日、海外で成長する子どもの日本語を、
「日本国内のモノリンガルの子どもの日本語」と
比べるべきではない、と書きました。(記事はこちらです➡

もともと、違う土俵にいる子どもたちです。
比べて、焦ることはありません。

また、海のこちら側にいる、ほかの子どもたちと
比べる必要もありません

なぜなら、日本語は「できなければならないもの」ではなく、
「できたら、ちょっとお得なもの」だからです。

やる気にさえなれば、いつからだって始められます。

子どもの時に日本語を使わず(あるいは使うのをやめてしまい)、
大学生になって日本語を専攻した人はたくさんいます。

母親、父親が日本人という人もいれば、
両親とも日本人という人もいますが、
3年もたつと、見事な日本語を話せるようになります。

やろうと思えば、数年で取り戻せてしまうのです。
どうぞ、焦らず、どーんと構えていらしてください。

★★★

ただ、教師としての本音は、
できれば、日本語学習は、ゆるく長く続けていただきたいです。
子どもたちには、より豊かな心と、高い思考力をもった大人に
なってほしいということが、理由のひとつです。

また、特に、親御さんの現地語が強くない場合、
より密なコミュニケーションには、少なくとも、
日常生活のレベルで日本語が話せることが役に立ちます。

★★★

ゆるく長く続ける日本語学習の方法は、さまざまです。

補習校だけが唯一絶対の方法!と思っていらっしゃる方は
多いのですが、あくまで、数ある選択肢のひとつに過ぎません。

教室という環境は重要なので、日本語教室にせよ、
補習校にせよ、通える場所があるなら、通うことをおすすめします。

もちろん、一番のおすすめは、てらこやです。
(てらこやのご紹介はこちら➡ 

★★★

近所に教室がない、日本人もいないという場合も、
何でもいいので、日本語に触れる時間をつくってください。

男の子なら、ウルトラマンシリーズ、ポケモンなどを見るのもいいでしょう。
最近のアニメでは、妖怪ウォッチは本当におすすめです!
(詳しくはこちらの記事➡

女の子なら、「プリキュア」「プリティーリズム」などが今人気です。

動物が好きなお子さんなら「おおかみ子どもの雨と雪」や「獣の奏者エリン」
一押しです。こちらは大人もいっしょに楽しめます。
(詳しくはこちらの記事➡

何か好きなシリーズがひとつ見つかれば、それが日本語•日本文化への興味
モチベーションの維持につながります。

他にも一緒に本を読むかるたやすごろくで遊ぶ日本語のレシピを読みながら
一緒に料理を作る、空手や柔道のわざの名前をで筆ペンで書いてみる、
日本語のニュースを一緒に見て、思ったことを話し合う•••
(子ども向けニュースサイトのご紹介はこちら➡

小さなことでかまいません。

続けていれば、お子さんも親御さんも、
「やっていてよかった」と思う日が必ず来ます。
だいじょうぶです。

「ゆるく、長く」そして「楽しく」
日本語学習を継続してみてください。

Sunflower_from_Silesia

 

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焦らない、比べない、でも続けること」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 急にぐんと伸びる日 | Terakoya @Amsterdam

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