「妖怪ウォッチ」がおもしろい!と、
海を挟んだこっち側でも聞くようになりました。
ゲームや関連グッツのあまりの売れ行き、
日本ではよくニュースにもなっていますよね。
[番組の公式ホームページはこちらです★]
てらこやのこ組のR太君も見ているそうで。
「これは後々授業で使えるかも。私も見てみねば!」と思った次第です。
(R太君、機会をくれて、ありがとう!)
★★★
どんなお話か、ざくっと説明します。
妖怪ウォッチという時計を手に入れ、
妖怪が見えるようになった男の子が主人公です。
そして、妖怪の存在ゆえに発生している問題を解決していきます。
妖怪を「集め」、戦わせるという設定は、
昆虫採集や「カブトムシの相撲大会」と似ている部分があり、
ポケモンとも共通しています。
キャラクターは、いわゆる日本古来の妖怪とはずいぶん異なっています。
これは、現代の子どもたちの感覚に合ったものじゃないかと思いました。
「こんな妖怪なら、いるかも!」という感覚です。
「ヒキコウモリ」(取り憑いた人間をひきこもりにする妖怪)、
「ドンヨリーヌ」(その場にいると空気が悪くなる)などなど、
大人が見てもおもしろい妖怪がたくさんでてきます。
★★★
日本語教育としての観点からすると、ポケモンよりも価値が高いと判断しました。
ひとつめの理由は、舞台が日本だということです。
架空の世界が舞台だったポケモンよりも、
日本文化をより身近に感じられる内容です。
ふたつめの理由は、妖怪たちとことばでコミュニケーションができることです。
一単語しか話せない黄色い生き物、かわいいんですが、
あれでは語彙増強は期待できません。
主人公は、最初から妖怪と戦うのではなく、
彼らの事情を聞いて話し合うことを通じて問題を解決しようとします。
また、友達となった妖怪を呼び出し、戦ってもらうこともありますが、
呼び出しても、相手の気分次第では戦ってもらえないことも•••。
その場合も、ことばによる依頼や交渉が必要です。
つまり、語彙•表現だけでなく、コミュニケーションの仕方も勉強になります。
3つめの理由は、妖怪の設定が細かいことです。
様々な文脈で登場する妖怪たちには、妖怪になったいきさつ、
取り憑かれた人間がどうなるかという設定などがあります。
これらを日本語で理解し、自分のことばで説明できるようになれば、
ことばの力がぐんと伸びること間違いなしです。
ということで、「妖怪ウォッチ」、海外在住の日本語学習者にもおすすめします。
暴力シーンがないので、お子様はもちろん安心して楽しめますし、
大人が見てもおもしろいですよ。